しかし内容を読んでみると、海んばでもなんでもないようで、単なるひとりの女性「おさつ」を、周囲の人間が海んばと思い込み、したてあげた挙げ句に殺人を起こすという、いわゆる魔女狩りに近いものです。
ヤマンバは、昔話のなかでは悪者として描かれることもありますが、もともとは山の女神であり、信仰の対象です。そこには古くからのさまざまな「背景」があり、だからこそ「ヤマンバ」という妖怪には非常に魅力があるわけです。
したがって、「山の女の妖怪」の海バージョンだからと、適当にでっちあげて不漁を女性のせいにするとは、見当違いもいいところです。
が、その女性を殺したところ、さらに不漁に追い打ちがかかった、という点のみは、ヤマンバ的な属性を持っていた、と、言えるかもしれません。
この、おさつという女性の供養塔が、現在も銚子市外川町にあると紹介されています。
古い言い伝えではありますが、供養塔があるということは、おそらく何らかの事実をもとにしているのでしょうか。
ご冥福を祈ります。
【ニュースソース】
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/100814/trd1008141801014-n3.htm
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